賃貸借契約書のチェック事項

不動産の賃貸借契約書
不動産の賃貸借契約を結ぶ際には、契約内容を明確にし、契約後のトラブルを防止するために「賃貸借契約書(賃貸借契約証書)」が作成され、貸主(大家さん)、借主(入居者)、連帯保証人が記名押印し、貸主、借主、双方が1通ずつ保持することとなります(不動産管理会社、仲介業者がコピーを保管することもあります)。


賃貸借契約書は、「重要事項説明書」と内容が被っていることが多いですが、具体的には以下のような事柄が記載されていますので、説明を受けているときに何か疑問点があればその場で質問し、納得してから契約するようにしましょう!


国土交通省では、賃貸借契約をめぐる紛争を防止し、借主の居住の安定、及び貸主の経営の合理化を図ることを目的として、契約内容が明確、かつ合理的な「賃貸住宅標準契約書(雛型)」を作成していますので、契約内容について気になる方は1度目を通してみてください。


賃貸借契約書では「特約・禁止事項」などに、特に重要な事柄、後々トラブルとなりそうな事柄が記載されていますので、必ず確認しましょう!


 賃貸人・賃借人について



賃貸人(大家さん)、賃借人(入居者)の氏名が記載されています。


 物件の表示



物件の「名称・所在地・構造・階数・号室・広さ(?)」が記載されています。


 契約期間と更新について



◎契約期間


賃貸借期間は、「平成21年4月15日〜平成23年4月14日までの2年間とする」など


◎契約更新について


「賃借人(入居者)は、契約期間満了の1ヶ月前までに賃貸人(大家さん)に対して書面によって解約の申し出がない場合は、契約期間満了の翌日より更に満2年間の契約が更新されたものとする(法定更新)」など


◎更新料について


「契約更新する場合は、賃借人(入居者)は賃貸人(大家さん)に対して新賃料の1か月分、及び管理会社に更新事務手数料として0.5か月分を支払うこと」など


契約日と、契約開始日(入居可能日・家賃発生日)は異なることが多いので確認しておきましょう!(上記の場合だと、平成21年4月10日に契約したとしても、平成21年4月15日以降でなければ入居できません)


定期借家契約など、更新ができない契約もありますので必ず確認しておきましょう!


 賃料について



「賃料は月額100,000円と定め、毎月翌月分を末日までに賃貸人(大家さん)指定の口座に振り込むこと」


「1ヶ月未満の賃料があった場合は日割り計算とする」


など・・・


契約月、解約月などで1ヶ月未満の賃料があった場合、一般的に「1ヶ月を30日、または実日数(31日や29日など)として日割り計算とする」となっていることが多いのですが、契約書によっては日割り計算せず、1ヶ月分丸々請求される場合もありますし、賃料は日割り計算とするが、管理費(共益費)は日割り計算しないとなっていることもありますので、必ず確認しておきましょう!


賃料の支払方法は、現在はほとんどが「指定口座への振込み(大家さんにではなく、不動産管理会社に振り込む場合も有)」ですが、物件によっては、「賃貸人(大家さん)に持参、または回収・クレジットカードを作成し、そのクレジットカードで支払う」などもありますので、必ず確認しておきましょう!


 管理費・共益費について



「管理費(共益費)は月額5,000円とし、賃料と共に毎月、末日までに賃貸人(大家さん)指定の口座に振り込むこと」


「1ヶ月未満の管理費(共益費)があった場合は日割り計算とする」


など・・・


管理費、共益費は、賃貸借物件の共用部分「階段、廊下等」の水道、光熱費、清掃費等にかかる費用を入居者で負担する金銭のことで、あらかじめその費用を賃料に含んでいる物件や、別途、管理費(共益費)として徴収する物件に分かれます。


 賃料・管理費・共益費の改訂について



「賃貸人(大家さん)は賃料、管理費、共益費が、物価の高騰、その他、近隣に比較して不相当になったと認めたときは賃料の改訂をすることができる」など


実際には契約期間中(2年間)に賃料の改訂があることはほとんどありません(逆に契約更新時に交渉すれば賃料を下げてくれることも?)。


 敷金について



「賃借人(入居者)は賃料の2ヶ月分、200,000円を賃貸人(大家さん)に差し入れ、敷金は賃料支払い債務、損害賠償債務、その他の債務を担保するものとし、敷金に利子は付さない」


「賃貸人(大家さん)は賃借人(入居者)が賃料、管理費、その他債務の支払いを怠ったときは、賃借人(入居者)に対して催告せずに敷金の全部、または一部をその債務の弁済に充当し、敷金が不足した場合、賃借人(入居者)は○日以内に不足額を差し入れなければならない」


「賃借人(入居者)が敷金返還請求権を他へ譲渡したり、差し押さえを受けた場合でも、支払い債務等があった場合は、賃貸人(大家さん)はそれらに優先して弁済に充当することができる」


など・・・


敷金について


 解約(期間内解約)ついて



「賃借人(入居者)は契約期間内であっても、賃貸人(大家さん)に対して1ヶ月以上の予告期間を定めて本契約の解約を申し入れることができる。但し予告にかえる1ヶ月分の賃料相当額を賃貸人(大家さん)に支払えば即時に解約することができる」


「賃借人(入居者)が解約の申し入れをしたときは、賃貸人(大家さん)の承諾なくして、これを撤回、もしくは取り消すことができない」


など・・・


予告期間は1ヶ月、または2ヶ月となっていることが多く、予告期間前に解約したい場合は、1ヶ月、または2ヶ月分の賃料を支払えば解約できるということです。


賃貸人(大家さん)から解約する場合は、定期借家契約などを除き、1年前から6ヶ月以上前までに、賃借人(入居者)に対して、「契約更新しない」旨の通知を行わなければならず、さらに契約更新しないことについて「正当事由(その部屋を必要とする事情)」が必要とされています。


期間内解約についての条項がない場合、必ず「何ヶ月前までに解約申し入れを行えば期間内解約できるのか?」を確認し、その事項を契約書に記載してもらいましょう(口約束ではダメです)。


賃貸借契約の解約


 賃料等の遅延損害金について



賃料、管理費(共益費)等の支払いを遅延したときの損害遅延金について記載されています。


 諸費用の実費負担について



以下の諸費用は賃借人(入居者)が負担すること。


「電気代、電球取替え費用」

「水道料金」

「ガス料金」

「電話料金」

「その他、賃貸借物件専用にかかる各種費用」


など・・・


 賃借人(入居者)の管理義務について



「賃借人(入居者)は善良なる管理者の注意をもって占有、使用し、管理規約があればそれに従わなければならない」


など・・・


 禁止行為について



賃借人(入居者)はあらかじめ賃貸人(大家さん)の書面による承諾を得なければ以下の行為をしてはならない。


:賃貸借物件を継続して1ヶ月以上、空室にすること。


:賃貸借物件の原状を変更すること。


:賃貸借物件の内外、及び敷地内に「看板・広告・掲示板・標識」等を設置、貼り付けること。


:電気、給排水、電話等の設備、機器等の新設、付加、除去、変更すること。


:賃貸借物件の内外に爆発性、または発火性の物品、その他、危険な物品を搬入し、取り扱うこと。


:犬、猫、鳥等のペットの飼育をすること。


:石油ストーブの使用。


:契約書で定めた者以外の入居。


:ピアノなどの楽器演奏。


など・・・


エアコンの設置、光ファイバーの導入(壁に穴を開ける場合)、ペットの飼育、またクロスを勝手に張り替えたり、入居者を増やすことは、賃貸人(大家さん)の承諾なしにしてはいけませんよ!ということですね(物件によってはマージャンの禁止、学生活動の禁止、宗教活動の禁止なんてものもあります)。


 賃貸借の譲渡、転貸について



「賃借人(入居者)は事由の如何に関わらず、賃貸借物件を第三者に「譲渡・転貸」してはならない」


など・・・


旅行、帰省等によって長期間、部屋を空けるからといって、賃貸人(大家さん)の承諾なしに勝手に友人、知人に部屋を貸してはいけませんよ!ということです。賃貸借契約は賃借人(入居者)と賃貸人(大家さん)の信頼関係で成り立っていますので、賃貸人(大家さん)の知らない人に勝手に貸してもらっては困るからです。もしも転貸したい場合は必ず賃貸人(大家さん)に相談しましょう!


 賃貸人の賃貸借物件内への立入権



「賃貸人(大家さん)、または賃貸人(大家さん)が指定した者(不動産管理会社など)は、建物の保全、衛生、防火、防犯、救護、その他、必要があるときは、賃借人(入居者)の承諾を得て、または要求して、いつでも賃貸借物件内に入室し、所要の措置をとることができる。但し緊急を要する場合は賃借人(入居者)の承諾なしに入室することができる」


など・・・


 賃借人の原状回復、損害賠償義務



「賃借人(入居者)は、賃貸借物件、及び賃貸借物件の設備等を毀損、滅失した場合は、直ちにこれを原状に回復しなければならない。この場合、賃貸人(大家さん)の計算に基づく賠償金をもって原状回復にかえることができる」


など・・・


 賃貸人の免責事由



「賃貸人(大家さん)は天災、地変、火災、盗難により生じた損害、電気、ガス、水道等の設備の破損によって生じて損害に関しては、賃貸人(大家さん)の重大な過失がない限り、一切責任を負わないものとする」


など・・・


 カギについて



「鍵を紛失した場合、シリンダー等の交換費用は賃借人(入居者)の負担とすること。この場合、賃貸人(大家さん)がカギの取替費用を立て替えているときは、3日以内に支払うこと。」


など・・・


 賃貸人の契約解除権



賃貸人(大家さん)は賃借人(入居者)が以下に該当するときは、賃借人(入居者)に対して催告せずに、直ちに本契約を解除することができる。


:賃料、管理費、共益費等の支払いを1回以上遅滞したとき。


:賃料、管理費、共益費等の支払いをしばしば遅滞し、その遅延が賃貸人(大家さん)と賃借人(入居者)の関係を著しく害すると認められたとき。


:共同生活の秩序を乱したとき。


:破産宣告を受けたとき


:その他、本契約の各条項に違反したとき。


賃料を1回でも遅滞すれば契約解除事由に該当するとなっている契約書が多いですが、実務上は何度も賃料の支払いを遅滞をしたり、催促しているにもかかわらず数ヶ月分の賃料を滞納するといった、賃貸人(大家さん)と賃借人(入居者)の信頼関係が崩れたと認められたときでなければ、契約解除事由にはなりません。


自己破産したからといって、そのことが賃貸人(大家さん)に知られることはないと思いますし、仮に知られた場合でも自己破産したことを理由に賃貸借契約を解除することは認められていません(賃料の滞納が数ヶ月続いている場合などは別ですが・・・)。


 契約終了について



本契約が「契約期間満了・解約・解除」、その他の事由により終了したときは以下の通り処理するものとする。


:賃借人(入居者)は直ちに現状を回復して賃貸人(大家さん)に返還しなければならない。もし原状回復してない場合は、賃貸人(大家さん)は賃借人(入居者)の負担において現状を回復し、その費用は敷金と相殺し、不足額がある場合は賃借人(入居者)に対して請求することができる。


:賃貸人(大家さん)は賃借人(入居者)が賃貸借物件の賃借人(入居者)所有の物品を持ち出さない場合は、任意に立入、保管、または処分することができる。また保管、処分にかかった費用は賃借人(入居者)に請求できる。


:賃貸人(大家さん)は賃借人(入居者)が賃貸借物件の明け渡しを完了してから30日以内に敷金を賃借人(入居者)に返還する。但し、遅滞賃料、その他、債務の弁済に充ててなお残額があるときに限る。


:賃借人(入居者)は賃貸人(大家さん)に対して「移転料・造作買取請求・必要費・有益費・償還請求」、その他名目の如何を問わず、金銭、その他を請求しない。


など・・・


 連帯保証人について



「賃借人(入居者)の連帯保証人である山田太郎は、賃借人(入居者)と連帯して本契約に基づく一切の債務を保証するものとする」


「賃借人(入居者)は連帯保証人が欠けたとき、または連帯保証人に無資力等、不適切な事由があると賃貸人(大家さん)が認めたときは、賃貸人(大家さん)の請求により、直ちに新たな連帯保証人をたてなければならない」


など・・・


 特約事項について



「賃料、管理費(共益費)の振込先と、振込手数料は賃借人(入居者)の負担とすること」


「賃貸借物件明け渡しに際して、賃借人(入居者)が貸室の明け渡しをしても、賃貸人(大家さん)、または賃貸人(大家さん)の指定した者(不動産管理会社)にカギの返還をなした日まで賃料が発生する」


「契約者、またはその同居人が暴力団、その他暴力的集団の構成員、またはこれに準ずる者と判明したときには、賃貸人(大家さん)は賃借人(入居者)に対し、何の催告もせずに契約を解除することができる」


「賃貸借物件明け渡し後、室内、及び水廻りのハウスクリーニングは賃貸人(大家さん)指定の専門業者に委託して行うものとし、その費用は賃借人(入居者)の負担とする」


「タバコ、ヤニによるクロスの変色汚損は、賃借人(入居者)の負担で張替える」


など・・・


ハウスクリーニング費用は借主(入居者)負担?


賃貸借契約書でもっとも重要なのがこの特約事項で、契約書によって実にさまざまな特約事項が記載されていると思いますので、どのようなことが記載されているのかを確認し、納得できないこと、分からないこと等がある場合は必ず質問しましょう!


以上のように賃貸借契約書にはさまざまな事柄が記載されており、一般の方にとっては聞きなれない言葉も出てくると思いますので、分からないことは遠慮なく質問し、納得してから契約書に「署名捺印」するようにしましょう(署名捺印すれば契約成立ということとなり、キャンセルできません)。


また場合によっては、契約日前に賃貸借契約書の雛形などを要求し、契約手続きに望むことも必要かもしれません(不動産管理会社が応じてくれるかは分かりませんが・・・)。


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