経年劣化と通常損耗(自然損耗)

経年劣化・通常損耗(自然損耗)
敷金については「原状回復義務」が大きな問題となりますが、原状回復義務で度々出てくるのが、「経年劣化、通常損耗(自然損耗)」という言葉です。


では「経年劣化、通常損耗(自然損耗)」とはどのような意味なのでしょうか?


 経年劣化・通常損耗(自然損耗)とは?



経年劣化とは、住宅(クロス・畳・クッションフロア・カーペットなど)は時間の経過と共にその価値が減少するということで、敷金において仮に借主(入居者)が原状回復費用を負担することとなった場合でも、経年劣化を考慮し、価値の減少分まで負担させる必要はないということです。


そして価値の減少分が、「通常損耗(自然損耗)」となるのです。


国土交通省から「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」という指針が出されていますが、このガイドラインによると以下のように定義されています。


経年変化、通常の使用による損耗(自然損耗)等の修繕費用は賃料に含まれる


つまり、毎月支払っている賃料には「経年劣化、通常損耗(自然損耗)による修繕費用は含まれている」、とされていますので、例え故意、過失、善管注意義務違反等で、クロスの張替え費用を全額、借主(入居者)が負担することとなった場合でも、「経年劣化・通常損耗(自然損耗)」分を差し引いた額しか負担する義務はなく、当然、住宅(クロス・フローリングなど)の価値は年々減少していきますので、長く住めば住むほど負担割合も少なくなるのです。


 実質的にどれほど負担するのか?



「経年劣化、通常損耗(自然損耗)による修繕費用」は、借主(入居者)が負担する義務はないということが分かりましたが、では実際、何年住めばどれほどの「経年劣化、通常損耗(自然損耗)」となるのでしょうか?


例えば入居後1年で退去した場合と、10年で退去した場合では、当然、価値の減少分「通常損耗(自然損耗)」は大きく異なります。


国土交通省の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドラインによると、


入居後(新品のクロス等の場合)4年で退去⇒「約50%の価値減少」


入居後(新品のクロス等の場合)10年で退去⇒「約80〜100%の価値減少」


となっていますので、例えば入居後(新品のクロス等)4年で退去した場合で、借主(入居者)の故意、過失等でクロスを損耗させてしまった場合でも、クロスの張替え費用全額負担する必要はなく、半額負担でよいと考えられます。


上記と同じ条件で、入居後(新品のクロス等)10年で退去した場合は、0〜20%程度の負担が妥当だということです。


要するに4年で退去した場合、「自然損耗分(価値の減少による修繕費費用等)50%」は、4年間支払った家賃に含まれていると考えられているので、退去時に自然損耗分まで支払う必要はないのです。


また、もしも入居時にクロス等が新品ではなかった場合(張り替えられていなかった場合)、そのクロスが新品のときから自然損耗は計算されることとなっています。


例えば、入居後4年で退去した場合でも、入居時にクロス(壁紙)が張り替えられていなく、入居2年前に張り替えられていたクロス(壁紙)だった場合は、6年間分の自然損耗だと考えられます。


以上のように自然損耗分については明確な基準がなく、一概に何年住めば、何%が自然損耗分とはハッキリとはいえませんので、自然損耗分について理解したうえで、最終的には貸主(大家さん)、借主(入居者)双方の話し合いによって、妥協点を探していくしかないのです。


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